【Inside AIoT】スマートマシンソリューションでAWSクラウドを活用する方法


こんにちは!
機械設備とAIがつながるスマートな製造現場を提供しているEdgeCrossです。

私たちは、より多くの方にAIとIoT技術について簡単かつ親しみやすくお伝えするためにInside AIoTを連載しています。
最初の記事でMQTTを紹介しましたが、今回はスマートマシンソリューションでAWSクラウドがどのように活用されるのかについてご紹介します。
EdgeCrossはAWSクラウドをどのように活用しているのか、本記事で確認してみましょう。


AWSクラウドについて、多くの方が一度は聞いたことがあると思います。
しかしながら、実際に私たちEdgeCrossのような機械とAIを繋ぐソリューションでは、どのようにAWSクラウドを活用しているのかはよくわからないと思います。
今回はその点についてご説明します。

クラウド(Cloud)とオンプレミス(On-Premise)、その環境の違いについて

まずは基本的な内容から確認が必要です。
この概念について既にご存知の方は、先に進んでいただいても構いません。
しかしながら、実際に様々なマシンからデータを収集して活用する必要があるスマートマシンソリューションの特性を考慮すると、もう一度読んでみると参考になられるかと思います。

オンプレミス環境は、企業が自分のデータセンターで直接サーバーとインフラを構築・管理するのに対し、
クラウド環境は、インターネットを通じてサーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどのコンピューティングサービスが提供されることを指します。

クラウドとオンプレミス環境の違い

上記の表のように、クラウド環境はオンプレミス環境に比べ、より安定的で速く、障害や拡張への対応が確実なサービスを提供することができます。

AmazonのAWS(Amazon Web Service)は、MSのAZUREなどと一緒に代表的なクラウドサービスの一つです。

AWSはクラウドコンピューティング分野で最も広く使用されているプラットフォームで、多様なサービスとツールを提供し、より安全で迅速なサービス提供を支援します。
AWSの強力な機能を活用すれば、どんな規模のアプリケーションも構築可能で、世界中のどこからでも安定的にサービスを提供することができます。

2023年時点の世界クラウドシェア

高い可用性とスケーラビリティもAWSの特徴です。
AWSのグローバルインフラストラクチャは複数のリージョンと可用性領域で構成されており、いかなる障害が発生してもアプリケーションの可用性を維持できるように設計されています。
例えば、Auto ScalingとElastic Load Balancingを使用すると、アプリケーションへのトラフィックが急増しても、自動的にリソースを追加して負荷を分散することができます。

また、AWSはセキュリティを最優先しているのも強みです。
AWSは、物理的なセキュリティ、ネットワークセキュリティ、そしてユーザーのデータを保護するための様々なツールと機能を提供しています。
例えば、VPC(Virtual Private Cloud(VPC)を使用すると、ユーザーが定義した仮想ネットワーク環境内でAWSリソースを起動することができ、IAM(Identity and Access Management(IAM)を通じてユーザーとリソースへのアクセスを細かく制御することができます。

AWSの主なサービスをまとめると下記のようになります。

  • EC2(Elastic Compute Cloud) : 仮想サーバーを必要に応じて簡単に構成して拡張することができるサービスです。
    ユーザーはオペレーティングシステム、メモリ、CPUなどの仕様を選択して自分に最適化されたサーバー環境を構築することができます。
  • S3(Simple Storage Service) : 安全で拡張性の高いオブジェクトストレージを提供します。
    ウェブサイトの画像、動画、ログファイルなど様々な形式のデータを保存・管理することができます。
  • RDS (Relational Database Service) : 管理型データベースサービスで、SQL、MySQL、PostgreSQLなど多様なデータベースエンジンをサポートします。
    データベースの設定、運営、スケーリングを簡素化し、開発者がアプリケーション開発に集中できるように支援します。
  • VPC(Virtual Private Cloud): VPCにより、ユーザーはAWSクラウド内に隔離されたネットワークセグメントを作成することができます。
    これにより、仮想ネットワーク環境を構成し、IPアドレス範囲、サブネット、ルートテーブル、ネットワークゲートウェイなどを完全に制御することができます。
  • IAM(Identity and Access Management): IAMはAWSリソースへのアクセスを安全に制御できるサービスです。
    ユーザー、グループ、ロールを作成し、ポリシーを使用してAWSサービスやリソースにアクセスできる権限を管理することができます。

AWSはこの他にも様々なサービスを提供しており、各サービスはクラウドインフラストラクチャを構築、運営する上で必要なツールと機能を提供します。

機械とAIをつなぐスマートマシンソリューションがAWSを活用する方法

1.顧客サービス改善のためのEC2とAuto Scalingの活用

EdgeCrossは、機械を遠隔で制御し、モニタリングを希望する顧客に安定的で迅速なサービスを提供することが重要視し、AWSのEC2とAuto Scalingを活用しています。
例を挙げると、実際の顧客の機械からデータを収集し、モニタリングする当社のソリューションは、各種機械から収集される大規模なデータをリアルタイムで処理しています。

このため、EC2インスタンスを基盤とした動的拡張性を備えたアーキテクチャを実装しました。
特定の時間帯にユーザートラフィックが急増した場合、Auto Scalingポリシーが自動的に追加インスタンスを起動して負荷を分散させます。

2.データセキュリティと管理のためのRDSとIAMの適用

顧客データの安全な管理はEdgeCrossの最優先課題です。
そのため、AWSのRDS(Relational Database Service)を使用して関係型データベースを安全に運営することで、データのバックアップ、暗号化、パッチ管理などが自動的に処理されます。
また、AWSのIAMを活用してデータアクセス権限を細かく制御します。
EC2サーバーや開発者など、さまざまな役割を持つユーザーに必要な最小限の権限を付与することで、データ漏洩のリスクを最小限に抑えています。

3.S3とCloudFrontを使用したコンテンツ配信の最適化

EdgeCrossのプラットフォームで使用される写真ファイルなどの静的コンテンツは、世界中の顧客に迅速に配信される必要があります。
AWSのS3は、このような静的コンテンツを安全に保存・管理するのに理想的なサービスです。

4.VPCによるネットワークアーキテクチャ設計

EdgeCrossのすべてのクラウドリソースは、AWS VPC内で安全に隔離されて運営されます。
VPCを通じて作成されたプライベートネットワークは、顧客データを処理するサービス間の安全な通信を保証します。
これにより、外部からの不必要なアクセスを遮断し、内部ネットワークのセキュリティを強化します。
お客様の生産データはそれ自体が重要な資産であるため、EdgeCrossもセキュリティを最優先に考えながらサービスを開発しています。

まとめ

AWSの実績あるクラウドサービスは、世界中の企業とユーザーに信頼性と安定性を提供しています。
様々な機械環境を安定的に制御することを目的とするEdgeCrossもAWSの技術を活用し、個人情報保護はもちろん、顧客の多様なニーズに合わせて最適化されたサービスを持続的に提供しています。
また、AWSクラウドの柔軟性と拡張性を基に市場の変化に機敏に対応し、革新的なソリューションを迅速に開発して参ります。

EdgeCrossのソリューションをもっと詳しく知りたい方は、以下のリンクからEdgeCross公式ホームページをご参照ください。

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